サーバーは月額ではなく総額で選ぶと決めた理由:軸・計算・乗り換えの基準
前の3本では、実験を始める前に上限とやらないことを決めた話と、規約を確認する順番の話を書いた。ここからは、実際に無人の仕組みを動かすときに毎月出ていく細かい費用を、道具ごとにどう決めているかを書いていく。最初に迷ったのが、サイトを置くサーバーだった。
同時にいくつもの実験を走らせるつもりなので、サーバー代のような固定費は、1本あたりは小さくても本数が増えるとまとまった金額になる。上限を決めた月の枠は、こういう固定費からじわじわ削られていく。だからこそ、最初の1本目で決め方の型を作っておきたかった。
何で迷ったか
サーバー各社の料金ページを開くと、目に入るのはたいてい一番安い月額の数字だ。だがその数字の下に、小さく「36ヶ月契約時」と書いてあることが多い。1年だけ使うつもりで契約すると、表示されていた月額よりだいぶ高い金額を毎月払うことになる。逆に3年以上使うつもりなら、初期費用が0円かどうかより、契約が一番長い区分の月額単価のほうが総額への影響が大きい。
つまり「月額の安さ」で決めると、自分がどれくらいの期間使うつもりかによって、有利にも不利にもなる。ここで決めたのは、月額の表示だけを見て契約しない、という一点だった。
もう一つ気になったのは、「初期費用0円」という表示だ。よく見ると、対象は新規申込みの人だけで、既存ユーザーの追加契約は対象外になっているものがある。0円という文字だけを見て安心せず、対象条件まで読む、という手間を惜しまないことにした。
選び方の軸
軸は3つに絞った。
- 使う予定の期間:この実験がうまくいかなかった場合、何ヶ月でやめるつもりかを先に決める。やめる期間が短いなら、短い契約区分の月額で比べる。
- 契約期間×月額単価の総額:期間を決めたら、その期間の月額単価×月数で総額を出す。初期費用や独自ドメインの特典がある場合は、その分を差し引いた実質の総額で比べる。
- 一番長い契約区分の単価が、更新後も続くか:長期契約の安さがキャンペーン価格で、更新のタイミングで通常価格に戻る場合もある。表示されている月額が「ずっと続く単価」なのか「今だけの単価」なのかを確認してから比べる。
この3つを決めてからでないと、どの会社が自分にとって有利かは分からない。
計算の例
まず1年だけ試すつもりで比べると、ConoHa WINGは12ヶ月契約で月額991円、エックスサーバーは同じく12ヶ月契約で月額1,100円、ロリポップは同じく12ヶ月契約で月額1,045円になる(確認日2026-09-27・各社公式料金ページより)。12ヶ月分にすると、ConoHa WINGが11,892円、ロリポップが12,540円、エックスサーバーが13,200円で、一番安い組み合わせと一番高い組み合わせの差は1,300円ほどになる。
一方、3年以上続けるつもりで36ヶ月契約の単価を見ると、ConoHa WINGは649円、ロリポップは660円、エックスサーバーは990円になる。1年契約の比較では大きく変わらなかった3社の順位が、3年契約になるとロリポップとConoHa WINGがほぼ並び、エックスサーバーだけ月額300円以上高いという形に変わる。使う予定の期間によって、有利な会社が入れ替わる場合があるということだ。
さらに短く、数週間だけ動作を確かめたい場合は、ロリポップには1ヶ月単位の契約(月額1,430円)もある。長期契約の単価だけを比べていると、この「そもそも縛りのない短期プラン」の存在を見落としやすい。
見落としがちな点
独自ドメインの永久無料特典は、多くの場合「契約中は無料」という条件になっている。サーバーを解約すると、その時点でドメインの更新料が自分持ちに変わる会社もある。サーバー単体の月額だけを見て、ドメイン特典の条件を確認しないまま契約すると、解約時に想定していなかった費用が出てくることがある。
もう一つ、途中でプランを下げたいときに、下位プランへの変更に対応していない会社もある。上位プランに乗り換えるのは簡単でも、下げる方向は解約して契約し直すしかない、という場合がある。契約前に、下げる方向の変更ができるかどうかも合わせて確認するようにしている。
やめ時・見直す基準
サーバー代は、一度契約すると見直さずに払い続けやすい費用の一つだと感じている。なのでこの実験自体をやめる基準に加えて、「使う予定の期間を過ぎたら、契約をそのまま自動更新させず、そのときの料金表で再計算する」という基準も別に置いている。長期契約の低い月額に釣られて、実際には1年で閉じたサイトのサーバー代を3年分払い続ける、という状態を避けるためだ。
今のところの判断
このサイトは今のところ、Cloudflare Pages の無料枠で動かしている。レンタルサーバーはまだ契約していない。記事や仕組みが増えて有料のサーバーが要るようになったら、ここに書いた総額の計算で契約先を決める。その時に実際にかかった費用と、想定どおりに運用できたかは未計測としておき、数字が出たらこの記事に追記する。
自分で数字を入れて計算したい場合は、道具の記録にまとめてある比較・総額シミュレーションのページを使ってほしい。レンタルサーバー比較・総額シミュレーション
次の記事では、サーバーの次に決めた独自ドメインの話を書く。ここでも「表示されている金額」と「実際に払い続ける金額」がずれる場面があった。